不機嫌なアルバトロス

短大出た後、直ぐに入社して五年目。


いわゆるOLって言われてるやつで。


今もそういう風に呼ぶのかは知らない。



でもあまり聞かなくなったかな。


カツンカツンと、ヒールを鳴らして歩きながら、私は自分の名前すら覚えてもらえない職場に、もうそんなに長い事居るのね、と情けなく思った。


今日も雑用ばっかり。

段々ここが何をやっている会社だったか、っていうこともわかんなくなってきた。



一応私だって、やらなければならない仕事はあるんですけどー。って思うのに。


どうしてか私は暇だと思われているらしい。


いや、断らない性格だから、利用されているだけなのかもしれないけど。



一人悶々としながら、休憩所に到着。


自販機でブラックのコーヒー…


は、格好良いけど苦手だから…


私は自分で定番のホットミルクティー。



ガコン、という音を立てて、出てきた缶を掴んだのだが、あまりの熱さに思わず手を放してしまった。
< 2 / 477 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop