不機嫌なアルバトロス
私はくるっと振り返り―



バッチーン!!!!!



思いっ切り、中堀さんの頬を引っ叩いた。




「気安く私の名前を呼ばないで。」




捨て台詞を吐くと、私は踵を返して自動ドアを駆け抜けた。



あぁ。やっちゃった。


公衆の面前でなんて事を。


また良いネタを皆に提供しちゃったわ。


噂の耐えないアホウドリ。




理想の人なんているわけないじゃない。


私に現れるわけないじゃない。


悔しい。



ロビーのトイレにそのままダッシュして鍵を掛ける。




何より一番腹立つのは。



どこかでずっと期待してた自分だ。


もしかしたらって。


偶然と云う名の運命に、浮かれていた自分だ。
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