海風【完】
海風





夜の海辺をドライブする。



助手席には彼女。






僕は大学三年生(休学中)だ。


モラトリアムの延長。




金は口座に三万円、財布に三千円。


バイトも辞めた。


収入はゼロ。




いつ彼女にフラれても仕方がない。


僕には彼女を引き留めるだけの
何かがあるわけでもない。





むしろ、今日僕はフラれるであろう。






なにせこのドライブは、

彼女の提案なのだから。









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