コンピュータのタッチパネルを操作しながら、リズが思い出したようにクスリと笑う。
 オレは腰をケーブルで繋がれたまま、そばでその様子を眺めていた。いつものように稼働データをコピーしているのだ。今日は動けないついでに充電もしている。
 別に笑うようなデータがあるとは思えないが。
 オレは眉をひそめて尋ねた。

「なに?」
「ラモットさんがロボットをほめるなんて、どういう風の吹き回しかしらね」
「あぁ、聞いてたんだっけ」

 班長はオレ以外に聞かれたくなかっただろうなぁ。

「フェランドさんとかに言うなよ」

 フェランドならおもしろがって言いふらしそうだ。そんなことされたら、班長の不機嫌が増幅して益々オレへの風当たりが強くなりかねない。
 それは勘弁して欲しい。

「そんなことしないわよ。あなたがほめられることは私も嬉しいんだから」
「ならいいけど」

 少ししてまたリズがクスクスと思い出し笑いを始めた。
 今度はなんだ?
 リズはイタズラっぽい表情でオレを横目に見る。

「あなた美女にモテモテだったわね」
「まぁ、見た目はリズもお気に入りの美少年だし?」
「だから、何度も言うけど別に私の好みってわけじゃないの!」

 からかおうとするので逆に茶化してやると、リズはムキになって反論してきた。
 そんな必死で否定しなくても、リズの感情なんてオレには丸わかりだって知ってるだろうに。
 リズはムッとした表情でしかつめらしくオレを諭す。

「いい? あの美女はノーマルモデルだから、プログラムされた通りにあなたを誘ってただけよ。勘違いして彼女に会いに行かないようにね」
「そんなことはわかってるよ」

 たとえ行きたくても、リズの許可なしにオレはここから出られないし。


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