~Special Short Story~




「待ってよ、弥生。これラブレターなの?」


手紙を指差して弥生に尋ねる。男の子が渡した封筒の中身は、こうだ。



─────初めまして、西津高校2年2組の星村、よろしくお願いします。



「まー、ただの自己紹介だよね」


「でしょ?これラブレターって言わないよー」


「でも書き忘れたとか?にしても、天然過ぎるか」


天然っていうより、むしろ頭大丈夫かなって心配だよ。私は弥生から手紙を受け取り、再度その一文を眺める。


あ、でも字は綺麗かも。大人っぽい字だし、可愛い字を目指して崩れた字を書く私とは違うな。


「でもさ、高2って3つも年下じゃん」


「そうなの。私もビックリしたよ」


「明莉、その子と話したことあんの?」


「ない!」


私はいつも、バスに乗って大学に通っている。私が乗る時間帯に、いつも高校生が乗っていることは知ってるけど、さすがに話したことはない。


ましてや男が苦手な私だし、絶対ない。



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