~Special Short Story~



「それがさー、まだ返事してないの。なんせ、あの横田くんからの告白だよ?あの爽やかでイケメンでスポーツマンな人を前にして、返事なんて出来なかったんだよー」


再びカエルのぬいぐるみを抱きしめる花音。おい、カエル苦しんでっぞ。


花音に告白をしたであろう横田は、俺のクラスの男子で、花音の言う通りイケメン。女子に人気があるモテ男、だ。


そんな男が花音に告白とか、何が起きたんだよ。横田とはそんなに仲が良いわけでもなく、悪いわけでもなくただのクラスメート。


だから、恋バナとかする仲でもないから、横田の好きな奴なんて知らねー。ましてや、花音のことが好きなんて初耳だ。


「ねぇ、どうしよう、陽!」


「んなの俺に聞くなよ」


「だって、ゆきちゃんよりも陽に相談した方が早いもん」


小さい頃からそうだった。男子にちょっかい出されると、俺のところに来て相談や愚痴タイム。


花音の友達であるゆきちゃんと買い物に行った時も、イケメンを見たと帰宅後に俺ん家に来てギャーギャー騒ぐこともしばしば。



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