~Special Short Story~



「ほら!あたしは言ったからね?」


パッと俺の方を見た花音。俺は慌てて正面を向く。


「陽は」


「お前よりずっとずっと前から、お前のことしか考えてなかったっつーの」


横田が告白してくるずっと前から、他の誰よりも1番にお前の事を見てた。誰よりも近い距離で、伝えられない想いを秘めて。


告白されたって聞いて、返事をするまでの2日間。俺の片想いをどうやって終わらせるか考えた。


でも、やっぱり花音のことを諦められなくて。ていうか、そんなに簡単に諦められるわけがなくて。


「陽~」


ほら、大きな瞳から溢れる涙を拭き取ってやれるなんて、他の誰にもさせたくない。


残り2日の片想い。


俺の片想いは、一応休憩に入る。


これからは両想いってことに自惚れつつも、花音に飽きられないように、想ってもらえるように、もっともっと好きになってもらえるように……


両想いなりに、恋人として努力していきたい。


うじうじしていた片想いだったからこそ、これからは少しずつでもいいから、自分の思いを素直に伝えられるようにしよう。



☆。.:*・゜残り2日の片想い*END


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