生徒だけど寮母やります!⁑
「ゆ、結斗はどうだった?クラス」
ちらりと見上げて尋ねると、結斗がふわりと笑った
「うん、担任が美人だったよ。景ちゃんほどじゃないけど」
「結斗のそういうところすごいと思うよ」
相変わらずな結斗に苦笑いする
「景ちゃんこそ、あんな奴とおなじクラスで大丈夫?」
あんな奴、ライのことだろう
「んー、ライは人気者みたい。周りにたくさん女の子がいたよ。私が話しかける隙なんかないくらい」
笑ながら言う私に、結斗は怪訝な顔をした
「それで、ライはどうだったの?」
「どうって?」
「それであっさりと景ちゃんから離れたの?」
「う、うん?」
まあ、私の方から離れたというか、そうせざるを得なかったというか
「ライのそういうところ、すっごいうざいなぁ」
いきなり結斗が言った
「え」
「1人くらい、守れないのかな」
「えっ、なに?」
小さい声だったからか、よく聞き取れなかった
「なんでもないよ」
結斗は儚げに微笑んで、自分の部屋へ向かった