生徒だけど寮母やります!⁑

ライにも守られます!


「ライ、来てくれてありがとうね」


2人になった保健室で、私はライを見て言った


ライの口元が少し緩む


ライの笑った顔

すごく好き.....だな



「で、なんで変化したんだよ」


「え」


いきなりライの笑みが消え、私の心臓が跳ね上がった


「いや、あの」


彼の冷ややかな目はどんな刃物よりも鋭く効き目がある気がする



こええ......



「りりり理科室にあった豆電球か何かがお月様に見えちゃったんじゃないかな」


「人狼は月と豆電球の区別すらつかねぇのかよ」


「あ、いや、えっと」


「あ、わり。お前人狼じゃなくて犬だったな」



............こいつ......


なんて口を......!



すると、いきなりライがベッドに身を乗り出し私の顔をまじまじと見た


「えっと......近いんですが」


「今後、今回みたいに1人で変化しないと約束しろ」



ライは、眈々と言った


......とても、その目は冷たい


でも、なんて暖かい言葉なんだろう


今回だって、私が後先考えずにしてしまったことなのに


私が1人で苦しい思いをしないように

そう言ってくれる



私の目から、涙が零れた



ライが悲しそうな顔が、ぼやけて滲んだ


「景......」


優しく私を抱きしめる腕は、男の子のもので


「悪い.......」


「......っ、ううん......。違う......」



そんな強くて逞しい腕が、優しく私の背中をさする



「嬉しくて。こうやって心配してもらえることがありがたくて......」



ライはゆっくり私から離れた

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