あなたを待つ夜
第三章
12月。

街にはイルミネーションが煌めき、もうすぐやって来るクリスマスに人々の心を躍らせている。

優子はかじかんだ両手をこすり合わせながら、街の中を歩いていた。

全く、東京の寒さは何年経っても慣れないものだ。

豊との関係は相変わらずだ。

順調と言えば順調だし、何も変わらないと言えば変わらない。

このままズルズルと時間だけが経っていくんだろうか……。

優子と豊はクリスマス当日は当然二人で会うことができないから、少し早目のクリスマスを二人で祝うことにした。

待ち合わせ場所には既に豊の姿があった。
< 20 / 64 >

この作品をシェア

pagetop