SweetS Time ~君はマシュマロ~
なんだ。
今のは俺の妄想か。

いや、白昼夢かもしれない。

欲求不満溜まってんのかなー。
いや、もとはといえば理子のピンクの舌がいけない。

「本当に平気? ボーッとしてたっていうか、固まってたよ」

「えっ硬……」

思わず下を見た。
はっきりではないが、ちょっと半起ち……。

や、ヤバイ。まずい。
居心地が悪くなって、慌てて座り直しながら周りを見て話題になりそうなものを探す。
そして、理子の取り分け皿があまり汚れていないことに気づいた。

「気に入らなかった? あんまり食べてないな」

「美味しいよ! チョコレートも大好き」

そういって笑う理子の笑顔は、嘘偽りのない本物の笑顔だ。でも次の瞬間、一樹の視線から逃げるように理子はうつ向いた。

「ひょっとしてお腹空いてなかったのか?」

「違うの……」

ちょこんと正座をした脚に置かれた手が、スカートをくしゃっと握りしめ、いいにくそうに下唇を噛む。
なにか深刻な悩みがあるのだろうか?
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