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★あの日の僕らは… (1st)
「これ、パパ~?」

「そう。イケメンでしょ?」

新しい家に引っ越してきて、すでに数ヶ月が経過。

でも開けられずにいるダンボールがまだ数個ある。

夫、恒輔の荷物だ。

亡くなってから、アルバムを開くのも苦しかったのだが娘が見つけてしまった。

あまり見せていなかったら、遺影ではない新しいパパが発見できて嬉しそうにずっと眺めている。

でも、これでパパが今いたら「臭い~」とか「洗濯分けて」とか言い出すのかしら。

「これ、もしかして甲ちゃん?」

それは生まれたての甲斐くんを抱いた悠耶と私達。

「そうそう。四人写った写真も今となってはめずらしいわね」

「でも… この人は明らかに外人さんだよね?」

絹が首を傾げる。

「悠耶は電撃国際できちゃった婚だったからね」

「止めてよ。若気のいたりじゃない。今となっては消し去りたい黒歴史なんだから」

洗濯物をたたんでいた悠耶が苦笑している。

「じゃあ、二人はハーフなの?」

「ううん。ダンナがハーフだから、あいつらはクォーター。まだ作りが日本人寄りでしょ?」

そうか。絹はまだお隣の事情を知らなかったのね。

「そういえば、甲ちゃん 髪明るいっ!!あ~、赤ちゃんの時からなんだぁ」

絹の言葉を聞いた悠耶が耳元で呟いた。

「“こうちゃん”て久しぶりに聞いたわね、織依」




これは子供達が生まれるずっとずっと前の話…
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