社内恋愛なんて
「彼女たちは快適に仕事してるか? 何か困ったことや要望があったら教えてくれ」


「仲良く楽しそうに仕事していますよ。

飲み込みも早いですし、親切丁寧に学生たちに対応してくれています。

要望などは……恐らく部長が直接彼女たちに聞く方が喜ぶと思います。

部長に会えなくなって寂しいと零していましたから」


「そうか。あまり顔を出してないからな。近々様子を見に行ってみるよ」


 私は笑顔で頷いて、頭を下げて自分のデスクに戻った。


 部長は慕われているなあと思いながら、マニュアルと彼女たちに渡す諸々の準備に取り掛かった。


 採用受付のために貸切にされているフロアに行くと、受付の女の人たちが机にテストを置いて試験の準備をしていた。


 部長から任されたマニュアルを彼女たちにレクチャーし終わると、一人の受付の子が私に耳打ちしてきた。


「部長に私が会いたがってるって言ってくれました?」


 期待を込めた目で言ってきたのは、リーダー役の瀬戸内さん。


三人の中で唯一採用受付経験があるのでリーダー役をしてもらっている。
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