私が驚いて声を上げると、同じく部長も驚いた顔で私を見下ろした。


「湯浅? どうしてここに?」


「同期会をこのお店でやっていて……。部長こそどうしたんですか?」


「俺は、営業部時代の後輩と飲んでいて今帰るところだったんだ。どこら辺にいたんだ?」


 私は皆がいる方向を指さした。


胸がドキドキいっている。


ずっと落ち込んでいたのに、部長の顔を見ただけで気持ちが色めき出す。


 部長は私が指さした方向を見て、「ああ、そっち側にいたのか。俺は反対側にいたから全く気が付かなかった」と言った。


 パーテンションで区切られていたから、私も他のお客さんを全く見ていなかった。


まさか、一緒のお店にいたなんて。


ここは、会社から近いし利用している社員が多いから、部長がいても不思議ではないのだけれど。


「なんか、顔が蒼白い気がするんだが、大丈夫か?」


 突然、顔がぐいと近付いてきたので、驚いて後ずさった。


すると、ただでさえふらふらなのに、急に動いたせいで足がカクンとなった。