「予定通り 運んでるかい?」

浩一郎が佐伯さんに声をかけた。

「はい 予定通りです」


「よかった。急だったからちょっと準備不足だったね
迷惑かけてすまなかった」


「いいえ 大事な若さまのために
仕事ができるだけで 私にとっては光栄なことです」


「また佐伯さん 大げさだな」


場が和む優しい会話に 緊張感も少しだけ薄れる。


「お腹すいただろ?もう少し待ってね」

浩一郎が 覗き込んで言うので ビックリして


「あ 大丈夫です」

声がひっくり返った。


「そんなに 緊張しなくていいよ いつも通りで」


浩一郎が笑いながらそう言った。


いつも通りって・・・・・・
いつも通りってどういう意味にとっていいのか


浩一郎と佐伯さんが 
難しい内容の話をし始めたので 私は暗い窓の外を見た。


祖父の思い出の地・・・・・・
いつか一緒に来たかったのに 
私一人で来てしまった。


全く知らない人と一緒に・・・・・・・。