「ご主人お仕事ですって?残念ですね
すごく楽しみにされてて お食事の内容とかも
いろいろ提案されてたのに」


半分ふてくされて 目も真っ赤になってる私に
女将が配膳しながら言った。


「奥様がお料理がお上手できっと
地元のものを美味しく食べられたらまた
楽しく料理を作ってくれるからって・・・・・
明日もまだありますから・・・・今夜のお膳は少し
冷めてしまいますが十一時まででしたら温め対応しますので
ご連絡くださいね」


「ありがとうございます。
忙しい人で今日も期待してなかったんですけどね」


「明日もありますもの
奥様は今夜のお料理しっかり楽しんでくださいね
おひとりで寂しいでしょうけど」


「大丈夫です 慣れてます」


浩一郎が私のために いろいろやってくれたことに
感激はしたけれど

結局私よりも五月さんを選んだのが 答えだと思った。



この温泉旅行も所詮 従業員の新年会を兼ねた旅行でしかない。
ただその内容が 贅沢なだけで


よく働いてくれてるねと慰労してくれてるだけ


美味しい料理だった。
初めて食べる食材もあった。きっと浩一郎が説明しながら
楽しむはずであった食卓で一人


美味しい料理に美味しい酒
ヤケ酒も 量が進んだ 何か 全部忘れたい ペースが上がる。