奥様のお仕事
「絶対見ちゃダメだからね」


「わかったって」
浩一郎が ケラケラと笑った。


私たち 絶対 カップルか夫婦に見えるのに
他人同士で 仕事関係


こんなにさらけ出して暮らしていても
浩一郎は 私のものにはならない。


「今日は 少し車でまわってみようか」


「うん」


「昨日のお詫びに 今日は何でも言う事聞くよ」


「ほんと?」


「うん マリンの望むこと 何でも叶える」


「絶対だよ」


「何かプレッシャーだな」


「覚悟してて」


体が冷えてきたから またお湯につかった。



望むこと・・・・・・・
それは それは 一つしかないよ


抱いて・・・・・・・・・



そんなこと 言えるわけがない。
でも 逞しい 体を見ていたら その体に抱かれて
愛されたいって 何も知らないくせに


私はきっと いろんな気持ちを抱えすぎて
変態になって 淫らな女になっている。


そんな姿 とても 見せられないし知られたくない・・・・・



浩一郎の望むマリンは
いつまでも 無邪気で 子供のまま 純真無垢でいないといけない。


もう 限界だよ 浩一郎・・・・・・・
このまま一緒にいたら きっと 軽蔑されてしまうから
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