奥様のお仕事
「おじいちゃん お酒飲む?
さっき麦茶で付き合わせちゃったから」


大きな応接ソファーに座っている じじいに声をかけた。


「お 飲むか
マリンの分も用意してきなさい」


「うん」


簡単なおつまみを作って じじいの横に座った。


「即席だけど」


「美味そうだ」


すっかり変わってしまって 何だか物足りないんだけど・・・・
嬉しいけどね・・・・・。


「乾杯」


「今日は楽しかったな
あんなに笑ったのは・・・・経験ないな」


楽しかったって言葉が嬉しい。


「私も楽しかった~
私はずっとじいちゃんと二人っきりでたくさんの人と
楽しくご飯食べたりしたことなかったから
笑ったし いたずらして ごめんね おじいちゃん」


「悪い娘だ フフフ・・・・・」


「浩一郎と暮らして幸せか?」


「うん すっごくすっごく幸せだったよ」


「ん?だったよ?」


「あ 違う間違えた 幸せだよ」


「過去形で言うからおかしいんだぞ
勉強はしないとダメだぞ」


「はい~」


「その都度 ワシが指導してやる」


「ありがと おじいちゃん」


「マリン・・・ワシ ひどいこと言って悪かったな」

じじいから思いがけない懺悔の言葉が出た。
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