「マリンさん モデルやれますね。
私ずいぶん モデルも担当しましたけど
マリンさんの方がずっと綺麗で やりがいがあります」
島でもそれは言われたことがあった。
背も高いし ハーフだし モデルやったらいいのに
何て言われたけれど
全く私にはそんな自信もないし 捨てられた生い立ちの自分が
人前で輝くなんてありえないと思った。
「専務さんがぞっこんなのわかります
こんな若くて美しい奥様 今まで結婚しないで
マリンさんの成長を待っていたなんて純愛すぎます」
その筋書きが 嘘八百だと知ったら
身近な人まで騙して 申し訳ないと思った。
私は余計なことを話さず ニッコリ微笑んで………
そのごまかしはいつまで通用するのか
「完成~~~!!!
何だか久々に 興奮しました。
マリンさんが素敵すぎて 腕も鳴りました」
「そんなことないですよ
私なんて全然・・・・・・・・・」
「磨き甲斐があります」
「ありがとうございます」
そんなに褒められると 悪い気もしないけど
「鏡見てみましょう」
美由紀さんが 鏡の前に私を押し出した。