Love Butterfly

(2)

一生懸命、勉強したけど、うちは、お姉ちゃんと一緒の中学には、行かれへんかった。二ランク下の、中学に行くことになったけど、パパも、お姉ちゃんも、うちのこと、バカにしてばっかり。
 でも、もう、慣れてた。中学は電車で行くから、帰りは図書館に寄って、お休みの日も、補講があるからって、家を出て、小学校のときより、家におらんでもようなったから、もう、それで、よくなってた。
 新しい中学は、女子校で、みんな、かわいい子ばっかりで、地味なうちは、全然馴染まれへんくて、二年生になっても、友達なんか、一人もおらへん。みんな、アイドルの話とか、男の子の話とか、ファッションの話とかしてるけど、うちは、テレビも見いへんし、雑誌も読まへんし、男の子なんか、興味ない。うちはいっつも、席で本読んで、一人ぼっちで、お弁当食べて……家でも学校でも、一人ぼっち。
 時々、聞こえてくる。
「櫻井さんって、なんか、暗ない?」
「そうそう、なんか、キモい」
 みんな、うちのこと、ひそひそ、笑ってる。お姉ちゃんみたいに、うちのこと、バカにして、笑ってる。……おもんない。もう、学校、来たくない。でも、もうすぐ夏休み。学校にも来なくていいし、一日、図書館に行ってたらいいかな。

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