Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪
6.おあずけ


焼肉の夜にきっちり言い渡したのが良かったのか、怜士の攻撃が落ち着いている。


レベルアップの不気味な笑いも夢だったようだ。


もしかして常套テクニックを使っているとか?


あの少し引いてみるっている。


そう思って、3日ぶりの電話に麗華は声が弾みそうなのを必死に抑えていた。


「忙しそうだね」


別に皮肉ではないのだが、言うと怜士は少し黙った。


「まあ、建設途中のホテルにクレーンが倒れこんで壁を破壊してね。
 開業日について調整していた。
 中国の案件では買ったはずの土地が違う業者も買っていてね。
 所有権を争っていて、そうこうしている内に政府が口を出してきた。
 別件で国有地の入札に加わろうとしたら、外資系の企業なら入札要件が増やすとか官庁が言い出して」
「あ、なんだかよくわかりました。
 お疲れ様です」
「どうも」


怜士はそれっきり黙りこんだ。
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