君と奏でるノクターン

3話/ほろ酔い

――賑やかなChristmas Eveだな。
夜通しで騒ぐなんて……今までなかった


詩月はピアノを弾きながら、店内の様子を窺う。


――共に笑い、共に歌い、共に奏で、共に分かち合う時間。
こんな音楽もあるんだな


紅潮した客の顔や笑顔、囃し立てる声、全てが暖かく感じられる。


酒場のバイトはミヒャエルの他に、ピアノ弾きのビアンカと見るからに捌けなさげな青年が1人。

マスターもバイトも客席とカウンターを、忙しく何度も行き来している。


客席にビールジョッキとツマミを置いたビアンカが、うらめしそうにミヒャエルを見る。


「ピアノ代わって」

ピアノの横をすり抜けようとするビアンカに詩月は、声をかける。


「えっ!?」


「店内が賑やかになってきた。ミヒャエルが動かなきゃ、店が回らない」


「あ……」
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