少女Fの思惑

ろく

おー…さすが一ノ瀬、もう呼び出しされてる。
あ、宮森さんが悲しそうな表情を…かわいいなおい。そして宮森さん以外の女子達の憎悪の表情といったら恐ろしい。でも原作では告白も全部断ってたみたいだし大丈夫でしょ。
そんなにしっかり読んでいないというか、人気って聞いたから友達に借りて飛ばし読みしたくらいだからそこまで覚えてないんだよねぇ…。実際にイベントが発生したらあー、あれか…みたくなるんだけど。結末もちゃんと読んでないというよりまだ描かれてなかったし。
それに漫画で読むわけじゃないから漫画にはなかった日常もはいってくるわけなんだよね。まぁ、できるだけ主要人物と関わらないように平和に第2の高校生活を楽しもうじゃないか。
ぐるりと教室を見渡すと一人の男子と目があった。
やば、あの人って……わ、こっちくるし!
「よっ!なんか用?」
「いや、何でもないよ。えっと、」
「一条慎二だよ、岩泉サン」
そうそう、そんな名前。こいつは一ノ瀬の親友とよべるポジションにいる人物だ。たしか一ノ瀬とは小学校からの付き合いだそうで。一緒にサッカーやってんだっけ?
長身だから首がちょっと疲れる。
一条くんもイケメンだな。顔整ってる。
「ちょ、そんな見られると照れるんだけど」
「え?あー、ごめん」
あ、ちょ、顔赤らめんな!やめろ、フラグたてんなって!
「慎~!」
「おー!なにー?」
向こうの方で多分一条くんの友達であろう人が彼をよんだのでくるりと体の向きを変えてくれた。…最後にちらっと見られたけど。
一条くんを呼んでくれたモブ、ありがとう。


< 7 / 30 >

この作品をシェア

pagetop