続*時を止めるキスを —Love is...—
週末の夜は店内も客層がバラつく。デートに女子会や飲み会。はたまた幸せそうな家族連れまで。
イタリアンに特化したこのお店は、駅にも近くて落ち着いた雰囲気なのに手頃な価格帯だ。
ズボラは気に入った店ばかりに行く習性を持つので、こういうところは行動力ある人たちに発掘をお任せしている。
さて、賑やかな店内をよそに、この場はそんな空気感とは一線を画していた。
その間切りされた一角で、美しくも強い眼差しを正面から一身に受けている私。
アンティパストは豊富だし、出来たてが運ばれてきて、良い香りが立ちこめているのに未だ手つかずだ。
「——で、クズはきちんとごみ箱へ入れたってわけね」