少しずつ、見えるミライ
何より大切な一言



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はっきりと言葉に出してはいないけど、あの晩、私は彼を「好き」になったことを認めた.....ということになったらしい。

自分からキスしたのは確かだし、実際そうなんだから、それで全然良いんだけど、すっかり自信がついたのか、日に日に、彼の甘え方にも遠慮がなくなって来た。



とにかく嬉しくてたまらないようで、家の中では前にも増してベタベタして来るし、「おはよう」とか「行ってきます」とか、何かと理由をつけては、可愛くキスをねだるようになった。

挨拶程度のはずがどんどん深くなって行き、気付けば声が漏れるほど、甘くて濃厚なキスに変わって行っちゃったこともあったし、キスをする場所も、少しずつ、少しずつ、いろんな所へとスライドし始めた気がする。



もちろん、それ以上の関係を、特に拒んでいる訳ではない。

多分、自然な流れの中でそうなれば、素直に受け入れられると思う。



でも、今まで三週間、何となく秩序を保って暮らして来ただけに、いくら彼でも、そのタイミングを切り出すのは難しいかもしれない。

自分で言うのもなんだけど、頑なにバリアを張リ巡らせていた私に、短期間でここまでイチャつけるようになっただけでも、十分表彰に値すると思うし。
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