少しずつ、見えるミライ
信じるものは、報われる

・・< side 朝陽 >・・




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< side 朝陽 >

「すいません。あのぉ.....『だって、好きなんだ』のお兄さんですよね?」

「あ、はい。」

「うわぁ、すご~い。こんな所で会えるなんて思ってなかった。超嬉しい~!!」

「あのビデオ、かっこいいです。踊ってるところとか。」

「ありがとう。俺、本職はダンサーなんで。」

「そうなんですか~!?」

「あの、あの、握手してもらっていいですか?」

「あ、はい。」

「きやぁ~、マジ、超嬉しい。学校で自慢する!!」

「私も、私も。」

「ありがとうございます。お兄さん、頑張ってください。」

「うん。ありがとう。」



これで四組目かな。

今日は朝からずっとこんな調子だ。

俺はどうやら、女子高生にに大人気らしい。



以前、MVに出させてもらったバンドがついにメジャーデビューを果たし、そのビデオが、数日前から早朝の天気予報で流れることになった。

名もない新人バンドだから、それほど大きく扱われることもないだろうと高を括っていたら、登校前にたまたまそれを見ていた子が気付いて、似てる人がデパ地下にいるってツイッターでつぶやいたのが始まり。

駅直結の入口にいて探しやすいこともあり、暇なJKたちが、ご丁寧にわざわざ確認しに来ているという次第だ。

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