花のような笑顔
大切だから守りたい
〜 狼 side 〜

岡山組の組長の言葉を聞いた華がキレてボコボコにした。

華が組長を殴る姿は見ていられなかった。

悲しそうな切なそうな、今にも消えてしまいそうな表情をしていて、俺は怖くなった。

華が消えてしまうことが何よりも恐ろしい。

だからこそ、これ以上華自身にも華を傷つけてほしくなくて俺は華を止めに入った。

意識を失う前の華は後悔にかられたような表情をしていたが、その中に安堵の表情も見えた。


華、俺はお前を守りたいんだ。

好きだからとかそんな単純な思いだけじゃない。

好きとかそんな言葉じゃ言い表せないほど大切なんだ。

大切だから守りたいんだ。


そう強く思い、華を抱き抱える腕に力を込めた。
< 190 / 240 >

この作品をシェア

pagetop