しろっぷ
3、新しい扉を開けて
 きらびやかな建物に入った二人。
 中に入るとまるでイギリス宮殿でも来たかのような気品溢れる造りで、照明はシャンデリアみたいな豪華さ。
 床には大理石が敷かれ、その上には赤い高級感溢れる絨毯(じゅうたん)が入り口からどこまでも続くような長さ。

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 この年までこのような施設を利用したことのないゆかりは怖くなったのか、無意識に貴人の服を掴んで歩いた。
「寒いのか?さっきから身体が震えているみたいだぞ?」
「大丈夫・・・です」
「そうか?まあ大丈夫ならいいんだが」
「・・・・・」
「ほら、この個室さ!!」
「個室ですか・・・」
「嫌かそういうの?」
「嫌と言うか、まだ心の準備が・・・」
「もう予約したんだ。いいから来い!!」
 ゆかりは言われるがまま貴人の服の袖を掴みながら後をついて行くことにした。
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