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気づかないふりはもうできない。そう思った。千春も、わたしも、きっと心のどこかでそれをわかっていた。
だけど好きをとめることはできなくて。あなたの側にいたいと願うの――。



春はまだかと思うようになったある日。お店が休みだった由衣が夜家に遊びに来て、ふたりで最近の出来事などを話していた。
そして一息ついて、由衣がなにげなくテーブルの脇にあった雑誌を手に取り読みはじめ、


「ちょっと優亜!」


声を上げた。言いたいことはわかるけど。


「な、なんでしょう?」


とぼけた返事をしてみた。


「これ、この高月千春! 凄いカッコイイ眼鏡男子になってるんだけど!」

「ああ、ね……」


由衣が指差すのはこの前撮影したページだった。
わたしの顔が綺麗に隠れているものが結局雑誌に使われたらしく、見事に巻頭だ。


「ねえ、凄いこと教えてあげようか」

「なになに?」

「このニットのワンピース着てる女の子、わたし」

「……え?」


雑誌とわたしを交互に見る由衣は、やはり「え?」だった。


「全然わからない」

「だろうね。顔写ってないし」

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