・ ・ ・ ・ ・ ・



それから暫く洋服作りに没頭する毎日になった。
事務所でも家でも、考えるのは洋服のこと。
だけどふと、思い出してしまうのは千春の家に行った時の彼の表情で。あの真面目な顔はおかしいと思っていた。

わたしの中の高月千春という男は、強引で傲慢で容赦のない感じで、いつも己のペースで物事を運んでいく。
自分がどういう表情や仕草すれば女が黙るのか、よく知っている感じで。
わたしは腹が立って仕方なかった。

なのにあの日から、千春のことを考えるとどきどきして、ほら、今も顔が赤くなっている。
いけない、いけないと、家のソファーに座ってデザインを確認していたわたしは、頭の中の千春を打ち消した。

きっと凄い魅力の持ち主だから、男性に免疫の無いわたしは一時的に惹かれてしまっているのかもしれない。
そうに違いない。
わたしはふう、と息を吐いてデザインを眺めていた――。

そしたらいつのまにかソファーで寝てしまい「寒い」と思って目を覚ました。

こんな場所で寝ていたら寒いに決まっている。
時刻を確認するために携帯の画面を見ると、夜中の3時。

それから届いていたメールを確認した。

差出人はお父さん。
お父さんは今海外にいて、内容は帰国の日程だった。
それはコンテストの日にばっちりあたっていて、まさかと思う。やめて欲しい。

この作品のキーワード
俺様  美男子  イケメン  胸キュン  あまあま  意地悪  モデル  ラブコメ  ときめき  ツンデレ