毒舌紳士に攻略されて
ピンチに現れたのは、ヒーロー?
「ちょっとめぐみ、大丈夫?」

「なんとか……」

次の日の朝起きると、案の定激しい頭痛に襲われた。
完璧二日酔いだ。

それでも仕事を休むわけにはいかず、なんとかベッドから起上がりリビングへ向かったものの、お母さんに呆れられてしまった。

「全く!女の子のくせにベロベロになるまで飲む子がいますか!自業自得よ」

「ちょっとあまり大きな声出さないでよ」

頭痛が酷いというのに、お母さんの怒鳴り声はキツイ。
ズキズキと痛む頭を押さえながら、お母さんが用意してくれたトーストをひとかじりするものの、胃が受けつけてくれそうにない。

「ごめんお母さん、サラダだけでいいや」

サラダならどうにか食べられそうだし。

頭痛を取るためにも薬を飲みたい。そのためにはなにかしら胃に入れないと。
無理矢理でも頑張って口の中へサラダを運んでいると、お母さんはテーブルの上に何かを置いた。

「これ、お父さんがよく二日酔いの時に飲む薬よ。それとドリンク。……けっこう効くらしいから飲んでいきなさい」

散々文句を言いつつも、やっぱりお母さんはお母さんだ。
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