桃華と一緒に店の手前で車を降りる。

「本当にやるんですか?」

 桃華が不安げな顔で俺に聞いてくる。

「そのセリフ今日6回目だよ。いい加減聞き飽きた」

「でも……」

「でももなし。余計な事は喋らないでね。ほら行くよ」

 そう言って桃華の手に指をからませたら、彼女がギャーっと悲鳴を上げた。

 耳が痛い。

「その悲鳴何なの?ヘビでもいた?」

顔をしかめて理由を聞けば、訳の分からぬ理由で責められた。

「な、なんで指なんてからめるんですか?」

「ただ恋人繋ぎしただけだよ。何をそんなに大騒ぎしてるの?まさか男と手をつないだ事もないって言うつもり?」

「家族以外とは小学校の遠足以来繋いでません!」

一体どういう生活していたんだ?

「そこ威張るとこ?恋愛偏差値低すぎ。ここまで来ると天然記念物だね」

ククッと笑ってからかえば、彼女は開き直った。

「悪かったですね。恋愛偏差値低くて。でも、ひとりでだって楽しく過ごせるんですから、恋人なんて必要ないじゃないですか。私は家で誰にも邪魔されずまったりしたいんです」

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