天才少女の復讐法。


天候は、少しどんよりしていて
まさに……復讐日和。


そしてあたしは、奴が電話で言っていた
『あの場所』へと向かう。

  
その場所が本当に合っているか
未だ確信があるわけじゃない。


でも、奴ならきっと…
あの場所に来るんじゃないかな……


そんなことを思いながら
しばらく歩いた……その時だった……―――


「…っ雫……!!!」


聞き覚えのある、焦ったような声が聞こえて
あたしは後ろを振り向いた。


「…っ…なんで…?」


そこには、息を切らした煌弥くんがいて……
不意にあたしの手首を強く掴んだ……__


「……なんでここにいるの?」


……彼とはあの日以来、
会う予定はなかったのに……__


< 564 / 619 >

この作品をシェア

pagetop