「お前は俺のモノ」【完結】

…一応、初対面の筈なのに、いきなり隣になんか座れないって。


仕方なく、少し隙間を空けて彼の隣に腰を下ろす。
…うわ、ソファ座り心地いいし。
腰が沈む。


そんな小さな事に感動してると、彼が私を突然押し倒した。
急過ぎて、何が起きたか一瞬わからなかった。

彼に手首を掴まれて見下ろされている。

いつの間にか、足までがっちり固められていて、身動きが取れない。


恐怖で彼を見つめると、彼はくくっと一度喉を鳴らす。


「怖い?」

「………」


その言葉にも無反応の私を見て、嬉しそうに笑うと突き刺す様な視線を向ける。
グレーがかった瞳に見つめられて、また心臓が跳ねた。

そんな彼から出た言葉。


「お前ね、俺に買われたの」

「………え?」


…か、わ、れ、た?
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