数十分後

タワーマンションの車寄せにタクシーが停まる。

支払いを済ませると私はタクシーから降りた。

慣れた手つきでオートロックを解除すると私はエントランスホールへと入っていく。

ゆったりとしたソファーセットが何組か置かれており、ホテルのロビーのようだ。

一面はガラス張りになおり、日中は陽射しが降り注ぎ、緑に溢れたプライベートガーデンを望む事が出来る。

「いいとこ住んでるのよね」思わず一人ごちてしまう。

エレベーターで30階まであがり、目的の306号室へと向かった。

ドアの前に立ちインターフォンを鳴らす。

多分、この時間だったら家にいるはず。

暫くすると足音が聞こえてドアが開く。

今にも泣きだしそうな顔の私を見ると、大きな目を更に大きく見開いて驚いた顔をしている。

「アキ!どうしたの?!」

出迎えてくれた美しい人に抱きついた。

広い胸に顔を埋めると、甘くスパイシーなコロンの香りが仄かに漂う。

「なんかあった?」

私は腕にギュっと力を込めてしがみついた。

「お願い、今日は帰りたくないの。何も聞かずに泊めてくれる?」

私は瞳を潤ませ上目づかいで見上げる。

「アキ」大きな手がそっと私の頭を撫でた。

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