冷徹執事様はCEO!?
「アキ、起きて」

身体を揺すられて、私はモソモソと布団から顔を出す。

窓の外から陽射しが射しこんでいる。もう朝のようだ。

「おはよ」私はのっそり上半身を起こすとベッドの上で伸びをする。

「今日仕事なの?」 

鏡の前でネクタイを選ぶ後ろ姿に声を掛ける。

「ん、ちょっと仕事が片付かなくてね」

「土曜日なのに大変ね」私は大きな欠伸を一つする。

昨晩は田中と別れ、怒りに任せて外泊してしまった。

「朝食用意したから一緒に食べよう」

「あら、モーニングコーヒーのお誘い?」

「… 姉と?色気0(ゼロ)だね」航生は嫌そうに顔を顰めた。

… ま、弟の家に、だけどな。
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