イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―



「いやー、三人で会うとか久しぶりだなー」

待ち合わせの居酒屋に入ると、祥太は既についていて。
中学の頃から変わらない、犬みたいな人懐っこさ全開の笑顔を私と風間に向けた。

木曜19時の居酒屋はそれほど混んでいない。
三人で集まる時によく利用するこのお店は、居酒屋のチェーン店でテーブル席と座敷がある。
祥太が座っているテーブル席にも空きがあるし、チラっと見た座敷の方もまだ満室ってわけではなさそうだった。

祥太の向かいの席に座ると、私の隣に風間が座る。
そして、風間が座るや否や、祥太が嬉しそうに話し出した。

「俺の方も仕事忙しかったりしたんだけど、ずっと会いたいなーって思っててさ。
風間最近付き合い悪いし、今日も無理かなーとか思いながらも一応声かけてみたんだ。
でも、誘ってみてよかったー」

祥太の幼さの残る笑顔は好きだし、素直な性格だって大好きだ。緩い感じが可愛い。
弱い部分を平気でさらけ出せるところも、多少意地っ張りな私にはない部分だからいいなぁと思うし、疲れただの上司に怒られただのいって甘えてくるのも可愛いと思う。

中学で初めて知り合った時なんて私よりも身長がだいぶ小さくて可愛い顔していたから、今でもその印象が残っていて、もしかしたらどこか弟みたいにも感じている部分もあるのかもしれない。


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