【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
8.立花くん、わたしが好きって本当?




立花くんとふたたび隣の席になってから

約1週間が経った。




パワーアップした立花くんのいじわるは、相変わらず毎日のごとく。



わたしはそれにただただ戸惑う日々を過ごしていた……。





───そんなある日の放課後。



いつも途中まで一緒に帰っている加奈は、委員会の仕事があるとかで別で帰ることになって。


わたしはひとり、生徒玄関へ向かっていた。




すると、玄関に近づくにつれ、しとしとと聞こえてくる雨の音。



……え!? もしかして、雨降ってる!?



ダッシュで確認しに行くと、嫌な予感は的中し……土砂降りの大雨が降っていた。




「ど、どうしよう……」




天気予報見てなかったよ……。


傘忘れちゃった。



この雨の中、傘もささずに歩くなんて風邪を引きたいって言ってるようなもんだよ。




どうしたものか……と頭を抱えていたそのとき。



ちょうど、誰かが玄関から出てきてわたしの真横でパッと傘を開いた。




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