朱里は腕時計で時間を確認しながら改札を出た。
今は17時10分。予定していたよりも早く駅に着いてしまった。
会社には18時に帰ると伝えてきていた。定時は過ぎているので早めに会社に戻ってもいいのだが、小腹が空いていたし今日は給料日だということを思い出した。

何か食べて帰ろうかな。甘いものが食べたい。

何気なく見た目の前にはカフェがある。改札を出た目の前にあるカフェはいまの朱里には魅力的な場所だ。

カフェの自動ドア横のポスターの前で立ち止まった。
ポスターにはケーキの写真が並ぶ。定番のモンブランが特別美味しそうに見えた。

自動ドアから店内に入り禁煙席の空きを確認する。
このカフェは会社近くの駅構内にあることとカウンター席にコンセントがあり、パソコンやスマートフォンを充電できることが便利でよく利用する。
打ち合わせで使うことも多かった。
カフェにノートパソコンを持ち込んで仕事をするというのはオシャレなOLぽくて、たまにやると気分が良くて仕事もはかどるのだ。

先に席を取りレジの前に行く。
何度か来たことがあるので店員の顔も何人かは覚えた。
今日は学生らしき女の子と男の子の二人がいる。どちらも時々見かける子だ。

ここ以外あまりカフェに行かない朱里にとって、男性のカフェ店員が珍しいかは分からないが、ここは男の店員が何人かいるようだった。
同僚の間でイケメンが多いと話したことがあった。

レジの女の子にモンブランとセットでアイスティーを注文する。
朱里の注文を聞いたと同時に、横にいた男の店員が手際よくトレーの上にモンブランとアイスティーを載せる。

「お客様、ガムシロップとミルクでよろしかったですか?」

男の子が朱里の顔を見て聞いた。

「あ、はい…お願いします」

「かしこまりました」

男の子は笑顔でトレーにガムシロップとミルクを載せる。

「ごゆっくりどうぞ」



笑顔が印象的な男の子だ。
トレーを受け取り席に着きながら朱里は思った。
ほとんどの場合ミルクかレモンのどちらにするかを聞くものだが、今の店員は朱里がミルクティーにすると知っているようだ。

何回かあの子にアイスティーを注文したことがあったかもしれない。だから覚えてくれているのだろうか。

何だか常連みたいだ。いつかは何も言わなくても出してくれたりして。

そんな想像をしながらアイスティーを飲んだ。



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