瑛太が休憩から戻ると、空席が目立つ店内にあの女性を見つけた。
打ち合わせ中なのか、スーツを着た男性と書類を並べ話し合っている。

静かな店内では打ち合わせ中の声が響く。
瑛太は自然と女性に目がいってしまう。
真剣な表情で書類と男性を見て、時々笑顔を向ける。
その笑顔に瑛太はドキッとする。
肩にかかるサラサラとした髪が柔らかそうだなと思った。



イスを引く音が聞こえて見ると、打ち合わせが終わったようで二人とも立ち上がった。
返却口にカップを置く女性とスーツの男性に

「恐れ入ります、ありがとうございます」

と声をかけた。
男性はそのまま無言で出ていったが、女性は

「ごちそうさまでした」

と瑛太を見て軽く頭を下げた。
瑛太は笑顔でもう一度

「ありがとうございました」

と言い、女性の姿が見えなくなるまで目で追った。

もう一度、あの笑顔が見れないかな…なんて期待して。

自分でも自覚し始めていた。
一目惚れという表現が一番近いかもしれない。でも容姿に惹かれたわけではない。もちろん好みのタイプではあるけれど、カフェの従業員にまで気遣いができる彼女には女性としての魅力を感じた。










今夜はカフェに同期で入った相沢とラストまで二人での作業だった。
相沢は年齢も同じで、瑛太が通う大学に程近い女子大に通っている。
女の子とは思えないほど気が強く、同じ時間帯にシフトに入る者同士で何かと助け合ってきた。

「中山くん、箱二つお願い。私先に倉庫の鍵開けとくから」

「じゃあ俺店の鍵閉めるわ」

「よろしくー」



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