朱里は本当はまだこれ以上を望んでいないのではないか…?

もしくは、朱里の今までの言動からして

「朱里さんて、もしかして処女ですか?」

少しだけ期待してしまう。

「ち、違いますけど…」

「なんだ…違うんだ」

そうだよな…
朱里が初めてならよかったのに…

瑛太は期待が外れて朱里の首に顔を埋めた。

「ガッカリ?」

「うーん、少しだけ」

「瑛太くんは?」

「初めてではないです…」

「そっか」

「残念ですか?」

「うん…少しだけ」

朱里が初めての相手がよかった。
でももし瑛太が童貞なら大事な場面でリードできなかっただろう。

瑛太が朱里の首にキスをした。
そのまま唇を滑らせ、舌が朱里の鎖骨をなぞる。

「瑛太…くん…電気、消してぇ…」

朱里の余裕のない声に身体が熱くなる。
慌てるように強引にテーブルの上に手を伸ばし、置いてあるリモコンで部屋の明かりを消した。











腕の中で眠る朱里の動く気配で目が覚めた。
時計を見るとまだ朝の5時だった。
さすがに朱里が会社に行く準備をするにも早すぎるだろう。外はまだ暗かった。

横にいる朱里はモゾモゾと寝返りをうっている。
布団から肩が出ていて寒そうだ。
昨夜、いやほんの数時間前まで朱里と身体を絡ませていたばかりだ。
シャワーを浴びたら二人とも裸のまま寝てしまった。

瑛太は朱里の肩まで布団をかけ直すと、朱里の頬にキスをした。
いつもの真面目で大人な朱里が、瑛太のキスや指の動きに艶かしい声で鳴いた。
喘ぐ声や快感に歪める顔を思い出し、瑛太はまた身体が熱くなるのを抑える。

甘い香りのする髪を優しく撫でると、アラームをセットして朱里を抱き締めて再び眠った。






窓の向こうから聞こえる車の音で起きた。
スマートフォンを手に取ると、瑛太がセットした時間から一時間近くたっていた。
どうやらアラームにも気づかないほど眠っていたらしい。
瑛太は慌てて朱里を起こした。

「朱里さん、朱里さん起きて!」

「うーん…」

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