「朱里さん、もしかして寝るとこでした?」

「あ…うん。今日はもう瑛太くんと会えないと思ったから…」

「ごめんなさい」

瑛太は朱里にそっと歩み寄ると、優しく朱里を抱き締めた。

「瑛太くん?」

「会いたかったぁ…」

瑛太が耳元で深い溜め息をついた。
朱里も両腕を瑛太の腰に回した。

「お疲れ様」

「うん…」

瑛太の指が朱里の髪を撫でた。

「シャンプーのいい香りがする…」

クンクンと犬のように匂いを嗅ぐ瑛太の微かな息が朱里の首に当たりくすぐったい。

「瑛太くん…くすぐったいよ」

そう言った途端、ちゅっ、と瑛太が朱里の首筋にキスをした。

「なっ!」

びっくりした朱里は咄嗟に瑛太から離れた。

「ま、まずは、お風呂に入ってきなよ…」

「まずは、ってことは、その先を想像した?」

「ちがっ…」

自分で言って、しまったと思った。

「冗談だよ。お風呂借りていいの?」

「うん…」

「泊まっていってもいいの?」

「うん…」

「じゃあ遠慮なく」

ニコニコしながら瑛太は再び朱里に近づき、耳元で

「入ったら今の続きするよ」

と言った。

「っ………」

朱里は照れて顔が赤くなる。その様子に瑛太が笑った。

「その前に…」

瑛太はテーブルに置いた紙袋を朱里に渡した。
見慣れたカフェの紙袋の中には、ケーキが入ってるであろう箱が入っている。

「残り物で申し訳ないんですけど、うちの店のケーキです。一緒に食べましょう」

「ありがとう!」

コンビニでケーキ買わなくてよかった…!

心の中でガッツポーズをしながら、ケーキの箱を冷蔵庫に入れた。






瑛太がお風呂に入っている間にコンビニでシャンパンを買ってきた。
アルコールが入っていない子供用のシャンパンだ。

「何してるの?」

お風呂から出て自分の体中の匂いをクンクンと嗅いでいる瑛太に、朱里は不思議そうな顔で聞いた。

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