単純な恋。
1
「ハァーー、やってらんないっ」


大量に買ってきた缶酎ハイのタブを開ける。


さっき、彼氏と別れてきた。


…イヤ。


彼氏と思ってたのは私だけで


『えっ、俺達付き合ってたの?』


って、アイツは言いやがった。




飲んでも飲んでも酔えない。


頭の中には笑ってるアイツの顔。
そんなアイツのお腹をボディーブローする。
おまけにグーパンチをしてアイツはノックダウン。


フフン。ざまあみろっ。





って…何してんだ。…私。


ハァ―――――――――――――――――。


長い溜め息が止まらない。








…遡ること2時間前。


アイツの部屋で御飯食べてお酒を飲んでベッドでまったりしてた。


恋人だったから。
私はそう思ってたから。




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