☆決心☆
愛理
その日、夜11時過ぎ。小さな愛理が小さな寝息を立ててる。
あたしは崇史を問い詰めた。
「崇史?あの後ひとみに会ったの?」
「え?ああ、ちょっとな。」
「なんで言わなかったの?」
「だって、探すなって言ったから。けど俺、どうしても許せなくて・・・。会った事言わなかったのは謝るよ。ごめん。」
「なんだか今日はみんなに謝られる日なのかな?
 今日ひとみに会ったよ。バイト先で偶然ね。」
「え?そっか。それであいつなんか言ってたか?」
「崇史に殺されそうになったって。」
「ぶはっ!そんな事言ってた?」
「もう、やめてよ。あたしは崇史だけが頼りなんだよ。愛理がいるんだよ。危ない事はやめて。」
「わかった。・・・そうなんだ。今の俺には守らなくちゃならないものがいっぱいあるから。」
そう言ってキスしてくれた。それから小さな愛理にもキス。
「愛理ね、今日立ったって。」
「さっきお母さんから聞いたよ。この前、首が座ったばかりなのに愛理ぃ~!お前は凄いなぁ~。」
崇史は眠ってる愛理の顔にヒゲ面を擦り付けた。
「・・・う・うう・・うわぁぁぁ~ん!」
「ああ!起きちゃったじゃないのぉ!」
あたしは急いでだっこした。
「ごめんごめん。」
笑顔で大泣きの愛理を覗き込んでる。
「愛理ぃ。お父さんですよ。」
まったく親ばか。
「愛理をだっこしてて。丁度おっぱいの時間なんだ。哺乳瓶持ってくるから。」
「おう!」
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