星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~
体育の時間は保健室で



~美姫 side~



詩織『次の体育どうする~?』

美姫『じゃあ…保健室にいるね。』

詩織『りょーかいっ!
今日これで終わりだし迎え来るね~!』

美姫『ありがと。頑張ってね。』


わたしは体育の授業に出ない。

と言うよりも…

出れない。

倒れたり何かあったら困るから。

だから体育の授業中は保健室にいる。

この時間が好き。

先生と2人きりになれるから。

授業中だから生徒も教師もほとんど来ない。

邪魔されないで先生と話せる貴重な時間。


ガラガラガラ


美姫『せーんせっ♪』

蒼『桜空か。』

美姫『先生〜その
「なんだお前か」みたいな言い方ひどくない?』

蒼『悪い悪い…で、みんなは体育か?』

美姫『あーー!
絶対悪いと思ってないでしょ!
話そらしたし。』

蒼『だから悪かったって。
そんなにすねるなよ。
それに話そらしたんじゃなくて教師として当然の事聞いてるだけ。』

美姫『すねてないし。そっ。みんなは体育中。
だから来たの。』


ほんとは一緒にいたいのが1番の理由何だけど

これは内緒。


蒼『そっかそっか。まぁゆっくりしてけよ。』


頭をなでながらそういう先生。


蒼『横になってた方が楽だろ。ベッド使う?』


必死で冷静を装いながら頷く。

先生はわたしが喜ぶ事を普通にしてくるからずるい。

いつもわたしばかりドキドキして…

先生がわたしの事何て好きじゃない事、

生徒としてしかみてない事何てわかってる。

だから辛い。


叶わないって最初からわかってた。

誰も認めてくれない事も。

決して結ばれる事何てないって。


…でもね

好きになっちゃったの。

何回も諦めようと思った。

自分が辛くなるだけだってわかってた。

それでも諦められなかったの。


先生に逢う度に話す度に好きだって実感する。


でも…わたしは普通の子とは違う。

それは…

病人だということ。

それにわたしの病気は治らない。


一生。


こんな子先生が好きになるわけない。


わたしが普通の子だったら…

健康な体だったら…

といつも考えてしまう。

その事を考えてるいると涙が溢れてしまう。


先生に聞こえないように必死に声を押し殺して


わたしは泣いた。

そして知らない内に眠っていた。
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