カラダ探し~最終夜~

小野山邸の地下室にあった儀式の跡、そこにいる黒くて怖い人……。


もしかして黒くて怖い人は、私が連れてきたわけじゃなくて、もともと「赤い人」の中にいたのかな。


「し、しまったぁ……どうして儀式をする必要があったのかって、先生から聞いてないよ」


「昨日」の事は「昨日」の先生にしかわからない。


今日、もう一度小野山邸に行ってもらってもいいけど、またあんな思いをするかと思ったら行きたくないし。


状況だけ話して、答えを出してくれるかな。


朝ご飯のマヨネーズパンを食べながら、そんな事を考えていた。


単純に状況だけ考えれば、父親が儀式をしたら、あの黒くて怖い人が呼び出されて美子に取り憑いた……。








だから、私に渡さないと言ったんじゃないかな?


……すごく冴えてるんじゃないの、私。


ひとりで考えていて、こんなにスムーズに考えがまとまった事なんて一度もないよ。


まるでパズルが不思議なくらいはまっていく感覚というのだろうか。


翔太なんかは、いつもこんな爽快感を味わっているのかな。


学校に行ったら翔太にも聞いてみよう。


同じ日を繰り返しているとは言え、最近全然話をしてないから、意見を聞いておきたい。
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