カラダ探し~最終夜~

そして……武司だよね。


日菜子も遥もそうなんだけど、今日学校に来るのかな。


朝食をとって、流しで手を洗った私は、それを心配しながら荷物を持って玄関へと向かった。


皆学校に来てくれればいいんだけどな。


家を出ると、「昨日」と同じく高広がが笑顔で出迎えてくれた。








何か違和感があるなあ。


高広に違いないし、こんな表情を見ないわけじゃないけど、少し照れていた頃が懐かしくもある。


ふたりで学校に向かって歩きだそうとした時だった。











「おうコラ、朝っぱらから夫婦でいちゃいちゃしてんじゃねえよ」













と、背後から聞こえた声に、私と高広は驚いて振り返った。


そこにいたのは……武司。


カバンを肩にかけて、眠そうな目で私達を見ていたのだ。


「武司かよ。何だよ夫婦って。それにお前、今まで学校をサボって何してたんだよ。結子が心配してたぜ」


「カラダ探し」をしていない高広にとっては、武司が落ち込んでいたなんて知らないんだ。
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