プツン、とパソコンの電源を落とすと、思っていたよりも室内は暗闇に包まれた。

自分が一番最後、という状況は社会人になって三年目だけど、初めてのことだった。見慣れたオフィスも、明かりがないだけでこんなにも落ち着かない空間になるなんて、そんなことも、今まで知らなかった。


ロッカーから出しておいた自分の荷物をデスクの下から引っ張り出していると、廊下からカツカツと靴音が聞こえてきた。

「悪い。自分のをなんにするか迷っちゃったよ」

オフィスに戻ってきた彼は、そう言いながら私にホットミルクティーの缶を差し出す。

「ありがと」

経費節約で空調も切られて寒かったから、真っ先に缶を頬にあてた。ちょっと熱い。でもあったかい。

温もりは、人をほっとさせる。

もちろん、ほっとした理由はそれだけじゃなかったのだけど。