「お前なんか嫌いだよ」


「うわっと、きったねー奴だな。24にもなって唾を飛ばすな唾を!
だから万年彼氏の一人もいねーんだよ!」



「なによぅ、せっかくお昼お友達がいなくてぼっち飯だった内田くんとわざわざごはん食べてあげてるのにその言い草ったらないわ!」



「たまたま企画課で時間空いたのが俺一人だっただけだっつの!お前だってそうだろうが!」



ぎゃあぎゃあと言い合ってから、ようやく二人同時にご飯に手をつける。



美味しいはずのご飯もなんとなく味気なく思えてしまうくらいには、私はさっきの出来事を引きずっていた。



それは約5分前。
一食450円の日替わり定食を頼んでルンルン気分で500円を出した私は、ご飯を受け取っただけですっかりぽーんっとおつりを受け取るのを失念していた。



去年異動になるまで総務課で一緒だった内田がちょうど一人でいたのを見つけて駆け寄ろうとしたときだった。



< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop