クールなお医者様のギャップに溶けてます
努力
「ね~、もうご飯にしようよぉ。」

「はぁ?自分から誘っておいてそれはないでしょ。」

「でももう試着飽きたよ~。」

「可愛くなりたいんでしょ?まだ化粧品しか買ってないじゃない!ほら早くこれに着替えてみて。」

化粧品売り場でおすすめの化粧品を顔に塗りたくられ、服飾専門店で上下5着の組み合わせを試着する。
おしゃれに気を使ってこなかった人間にとって食事時間を削られてまでするおしゃれなんて、こんなつらいことはない。

「先生のためでしょ?」って花絵は言うけど、心が折れそうだ。

さらに上下5着試着したところで、ようやく花絵様のオッケーが出た。
やっとご飯にありつける。

もうお腹ペコペコだからパスタとハンバーグを頼んじゃう。
料理が届くまでの間にドリンクバーで取って来た炭酸飲料と野菜ジュースを飲んでいると、花絵が評論を始める。

「亜樹は胸ないけどその分細いし、背がそこそこあるから意外となんでも似合うのね。」

それならもっと早く決まったんじゃないのでしょうか?
選んでくれたから直接は言わないけどさ。

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